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2019年05月11日

~相続法改正~審判による配偶者居住権の成立~

問)先月、私の夫が亡くなりました。突然死ですので遺言はありません。夫名義の家で私は長年生活していました。子は2人居ます。私が、今の家に住み続けるために配偶者居住権を取得したく思います。そこで、審判による配偶者居住権について教えてください。

答)審判によって配偶者に配偶者居住権が付与される要件は下記の通りです(民法1029条)。
 ① 共同相続人間の配偶者が配偶者居住権を取得することについて合意が成立しているとき
 又は
 ② ①以外の場合については、配偶者が家庭裁判所に対して配偶者居住権の取得を希望する旨を申出た場合において、居住建物の所有者の受ける不利益の程度を考慮してもなお配偶者の生活を維持するために、特に必要があると認めるとき
 です。
 ただ、②の場合は、配偶者の生活維持に必要不可欠との非常に限定的な条文になっています。これは、配偶者居住権が「終生」「無償」との重い負担をその建物を相続した相続人に課すことからです。今後の審判の集積が待たれますが、少なくとも、居住建物の所有者と配偶者との間に一定の円満な関係が維持されることが、要件を満たす重要な要素になるかと思います。