岡山弁護士会所属
岡山富田町のかかりつけ法律事務所
肥田弘昭法律事務所

お知らせ

一覧に戻る

2019年03月30日

~交通事故~交通事故の加害者となった場合の刑事責任、民事責任、行政処分について~

問)私は、先日、私の過失により、交通事故を起こしてしまいました。横断歩道を横断中の被害者と衝突し、被害者に全治三か月の怪我を負わせてしまいました。現在、警察で事故について取り調べを受けています。今後、交通事故の加害者として、どのような責任や処分がされるのでしょうか。
答) 交通事故の加害者となった場合、3つの責任(処分)がされます。ひとつひとつ別の責任(処分)ですので、皆様混乱されます。
 まず、免許に関しては、行政処分として、免許の取消し、停止処分が事故態様等によってはされます。
 次に、被害者に対して、不法行為責任(民法709条など)を負いますので、民事訴訟をされる可能性があります。但し、任意保険に加入しておれば、保険会社が代行します。したがって、任意保険には必ず加入しておくことをお勧めします。
 そして、刑事責任を負います。過失運転致傷罪が成立するからです。
この場合は、まず、警察、検察官(捜査機関)の取調べなどを受けた後、検察官が、起訴不起訴を決めます。次に、起訴された場合は、略式裁判の罰金を除いて、公判請求(裁判官、弁護人、検察官が在廷し、公開法廷でなされる刑事裁判)されます。認め事件であれば、通常、2回程度の公判で終わります。
 この時、重要なのが、情状弁護です。前記の行政処分や民事責任は、刑事事件とは、別の手続ですが、量刑に影響を与えます。すなわち、行政処分や任意保険に加入している(被害弁償ができた等)は、ご相談者様に有利な情状となります。そして、ポイントは、検察官が起訴不起訴を決定する前に検察官に対して、それらを提出することです。それにより、公判請求が、略式裁判での罰金や不起訴処分になる可能性もあるからです。
 そのために、捜査段階から、弁護人を選任して、情状弁護の活動をして貰うことをお勧めします。