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2019年01月01日

相続~生命保険金と相続放棄~

問い)私の夫が先月亡くなりました。夫は、生前生命保険に加入しており、その受取人を妻である私にしておりました。金額は1000万円です。夫には、借金があり、他にめぼしい財産はありません。私は夫の遺産について相続放棄を考えていますが、生命保険金1000万円も相続放棄の対象になりますか。

答え)
1 生命保険金1000万円は相続放棄の対象になりません。
2 相続放棄は、被相続人の相続財産(遺産)を相続人がすべて放棄する手続ですので、本件では、そもそも生命保険金1000万円があなたの夫の相続財産(遺産)であるかが問題となります。
あなたの夫が、あなたを生命保険の受取人と指定している本件の場合、その生命保険金1000万円は、あなたの夫の相続財産に含まれません。
その理由は、「保険金受取人としてその請求権発生当時の相続人たるべき個人を特に指定した場合には、右請求権は、保険契約の効力発生と同時に右相続人の固有財産となり、被保険者(兼保険契約者)の遺産より離脱しているものといわなければならない。」(最三小判昭和40年2月2日)との最高裁判所の判断があるように、指定された者は固有の権利として生命保険金請求権を取得することになるからです。
 したがって、相続放棄の対象になりませんので、あなたは生命保険金1000万円を取得することができます。