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肥田弘昭法律事務所

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2018年10月24日

民事訴訟等の制度の概要と債権回収の時間的・経済的リスク

1 民事裁判とは?
訴訟提起(訴状を作成し、裁判所に提出します。)→口頭弁論期日(裁
判を開いて、主張や契約書や証人尋問など証拠の提出などをします。)→判決(裁判官が最終的に判断します。)→裁判官の判断に不服がある場合は、再度、判断して貰うことができます(控訴審)。
(注意)
① 迅速な解決にはならない。裁判は、月1回程度のペースで開かれる。一般人の感覚だとゆっくり見えてしまう。
② 訴訟費用は敗訴者負担の誤解。訴訟費用には弁護士費用は含まれないので、勝訴しても弁護士費用を相手方に負担させることはできない。
2 民事訴訟以外の民事紛争の手続きについて
① 民事調停(話し合いで解決するシステム)
② 仲裁制度(話し合いで解決するシステム・①との違いは、紛争解決機関が裁判所でない点)
  →メリット)話し合いなので合意ができれば迅速に解決できる。
   デメリット)相手が話し合いを拒否すれば成立しない。
③ 労働審判
3 債権回収の流れ
(ポイント)お金を支払ってくれない場合に強制的に相手からお金の支払いを受けることを債権回収と言います(ひとまず、債権とは、お金の支払いを受けることができる権利、債務とはお金の支払いをしないといけない義務と理解してください。)
④ 民事保全(債権を回収するためには、相手の財産がなければいくら訴訟に勝っても意味がありません。そこで、相手の財産が分かっている場合、相手にその財産を処分できないようにする手続きです。
⑤ 民事訴訟(権利を確定して貰うための手続きです。)
⑥ 民事執行(確定した権利を実現するための手続きです。)
  →理解して頂きたいのは、お金を支払って貰えないとのトラブルが生じた場合、裁判手続きでお金を支払って貰うのは大変に面倒くさいと言うことです。
4 経営に与える影響は?
⑦ 財産的損失(債権が回収できななど)
⑧ 時間的な損失(訴訟の準備・裁判に出頭など・弁護士に依頼しても、訴訟の準備のために打ち合わせなどあります)。
⑨ 精神的な苦痛(裁判を抱えていると精神的にも疲労します。とにかく忙しく、他の仕事も胃が痛いのに加えて、裁判をしていると精神的にまいってしまいます。)など
⑩ 訴訟になると弁護士費用など費用がかかる。
例えば、民事訴訟の段階で債権が300万円の場合(旧日本弁護士連合会報酬等基準を参考にしています)
(弁護士費用)
着手金)300万円×8%=24万円(税別)
成功報酬)300万円×16%=48万円(税別)
(民事保全・民事執行は別の手続きですので、別途、費用がかかります)
(訴訟費用)
印紙代)2万円
そのほか郵券(切手代)などがかかります。
5 どの段階で弁護士に相談するか?
(弁護士の役割)裁判手続きを「代理」するとの役割
→民事保全・民事訴訟・民事執行の裁判手続きを代理して、裁判所に必要な書類等を作成し、提出。裁判所等の対応をします。
→契約書の重要性で触れますが、この時に、契約書がない、不備があるなどがあれば、権利があることを証明するため、いろいろと証拠を提出する必要があります。また、事案が複雑な場合、弁護士が、その事案を把握するため、聞き取りなどに時間がかかります。
⇔一番いいのは、契約書の作成から、つまり、トラブルになる前の段階から、相談を受けていること。なぜなら、事案を弁護士が把握していること、契約書作成のアドバイスなどしており証拠も揃っていること、支払いが遅滞した場合に裁判前に交渉することもできることからです。
 ⇔相談料は、30分5000円(税別)が目安です。