岡山弁護士会所属
岡山富田町のかかりつけ法律事務所
肥田弘昭法律事務所

お知らせ

一覧に戻る

2018年12月01日

嫡出否認の訴えを提起した場合も父はその子の出生届提出義務があるか。

(問い)私は、婚姻中に出生した妻の子に対して、現在、嫡出否認の訴えを提起していますが、それにもかかわらず、戸籍法上父として出生届を提出する必要はありますか。
(答え)出生届けが必要です。
民法772条は、妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定しています。この場合は、夫の子でないとして争うには、夫が子の出生を知った時から、1年以内に、子又は親権を行う母を相手方として、嫡出否認の訴えを提起して、その父子関係を否定する必要があります(民法774条・775条・777条・人訴2条2号・41条)。
しかしながら、戸籍法53条は、嫡出否認の訴えを提起したときであっても、出生の届出をしなければならないと規定しています。この規定の趣旨は、嫡出否認の訴えを提起した場合も、戸籍法52条1項の父の出生届提出義務を免れることはないこと、及び、嫡出否認の訴えの裁判確定まで、その子が無籍のままの状態にしておくことは望ましくない点にあります。したがって、あなたは、父として出生届を提出する必要があります。