2026年03月06日
電磁的記録不正作出及び供用罪(刑法161条の2)とは?
1 電磁的記録不正作出罪とは、「人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った」(刑法162条の2第1項)場合に成立する罪です。
2 電磁的記録とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう(刑法7条の2)。
3 権利、義務に関する電磁的記録とは、権利・義務の発生・変更・消滅の要件になる文書あるいはその原因となる事実についての証明力のある電磁的記録です。
4 事実証明に関する電磁的記録とは、社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる電磁的記録のことです。
5 人の事務処理を誤らせる目的は、財産上、身分上その他の人の生活関係に影響を及ぼし得ると認められる事柄の処理を誤らせる目的を言います。
6 不正作出とは、権限なく又は権限を濫用して電磁的記録を作ることを言います。
7 公電磁的記録とは公務所又は公務員の職務の遂行として作出されることとされている電磁的記録を言います。
8 共用とは不正に作出された電磁的記録を他人の事務処理のため、これに使用される電子系先において用い得る状態に置くことを言います。
9 条文
(電磁的記録不正作出及び供用)
第百六十一条の二
1項 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
2項 前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
3項 不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。
10 未遂も処罰されます。