2026年02月21日
令和8年4月1日に施行される民法308条の2の規定による子の監護費用の先取特権に係る額の算定等に関する法務省令について教えてください(注意 令和8年2月21日時点)
第1 先取特権について
1 新民法306条3号で「子の監護の費用」として一般先取特権が認められました。そして、新民法308条の2により、子の監護の費用等は、「子の監護に要する標準的な費用 その他の事情を勘案して当該定期金により扶養を受けるべき子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額」として法務省令に委任されました。
2 これを受けて法務省令第1条は、「民法308条の2に規定する法務省令で定めるところにより算定した額は、一月当たり8万円に同条に規定する定期金により扶養を受けるべき子の数を乗じて得た額とする。」として、先取特権が付与される子の監護の費用の上限を定めている。
【関連条文】
(一般の先取特権)
新民法第306条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について 先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 子の監護の費用
四 葬式の費用
五 日用品の供給
(子の監護費用の先取特権)
新民法第308条の2 子の監護の費用の先取特権は、次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権の各期における定期金のうち子の監護に要する費用として相当な額(子の監護に要する標準的な費用その他の事情を勘案して当該定期金により扶養を受けるべき子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額)について存在する。
一 第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
二 第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
三 第766条及び第766条の3(これらの規定を第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
四 第877条から第880条までの規定による扶養の義務
第2 子の監護に要する費用の分担の定めがない場合の特例に係る額の算定について
1 新民法766条の3は、父母において養育費の取決め等がされるまでの間、離婚のときから引き続き主として子を監護する父母の一方が、他方に対し、離婚の日から一定額の暫定的な養育費(法定養育費)を請求することができるとしている。
そして、新民法766条の3第1項は「父母の扶養を受けるべき子の最低限度の生活の維持に要する標準的な費用の額その他の事情を勘案して子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額の支払を請求することができる。」として法務省令に委任している。また、日割り計算についても新民法766条の3第2項により法務省令で委任している。
2 そして、法務省令第2条1項は「民法第766条の3第1項に規定する法務省令で定めるところにより算定した額は、2万円に同項の規定による請求をする父母の一方が離婚のときから引き続き監護を主として行うこの数を乗じて得た額とする。」として、法定養育費を子の一人につき2万円とした。
また、法務省令第2条2項は「民法766条の3第2項の規定による日割計算は、離婚の日の属する月又は同条第1項各号に掲げる日のいずれか早い日の属する月の日数を基礎としてこれを行う。」として日割り計算の基準を定めた。
そして、法務省令第2条3項は「前二項の規定は、民法第749条、第771条及び第788条において同法第766条の3第1項及び第2項の規定を準用する場合について準用する。」とされた。
【関連条文】
(子の監護に要する費用の分担の定めがない場合の特例)
新民法第766条の3 父母が子の監護に要する費用の分担についての定めをすることなく協議上の離婚をした場合には、父母の一方であって離婚の時から引き続きその子の監護を主として行うものは、他の一方に対し、離婚の日から、次に掲げる日のいずれか早い日までの間、毎月末に、その子の監護に要する費用の分担として、父母の扶養を受けるべき子の最低限度の生活の維持に要する標準的な費用の額その他の事情を勘案して子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額の支払を請求することができる。ただし、当該他の一方は、支払能力を欠くためにその支払をすることができないこと又はその支払をすることによってその生活が著しく窮迫することを証明したときは、その全部又は一部の支払を拒むことができる。
一 父母がその協議により子の監護に要する費用の分担についての定めをした日
二 子の監護に要する費用の分担についての審判が確定した日
三 子が成年に達した日
2 離婚の日の属する月又は前項各号に掲げる日のいずれか早い日の属する月における同項の額は、法務省令で定めるところにより日割りで計算する。
3 家庭裁判所は、第766条第2項又は第3項の規定により子の監護に要する費用の分担についての定めをし又はその定めを変更する場合には、第一項の規定による債務を負う他の一方の支払能力を考慮して、当該債務の全部若しくは一部の免除又は支払の猶予その他相当な処分を命ずることができる。
第3 関連資料について
省令案の取りまとめに向けた検討の資料が法務省令の策定について理解が促進できることから参考に添付する。