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2025年11月22日

民事執行法違反(財産開示期日不出頭等)は刑事罰があることを知っておこう!

第1 財産開示手続とは?
   財産開示手続とは、債務名義等を有する債権者の申立てにより、裁判所が債務者を呼出し、非公開の期日において、債務者(開示義務者)に自身の財産について陳述させる手続である。
第2 民事執行法213条1項5号
 1 民事執行法213条1項5号
   第二百十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。←懲役は拘禁刑となった。
   五 執行裁判所の呼出しを受けた財産開示期日において、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓を拒んだ開示義務者
 2 開示義務者が正当な理由なく財産開示期日において、正当な理由なく出頭しなかった場合に成立する。
 3 開示義務者が財産開示期日において正当な理由なく宣誓所の朗読を拒否した場合には、同号の罪が成立する。
 第3 民事執行法213条1項6号
  1 民事執行法213条1項6号
 第二百十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。←懲役は拘禁刑となった。
 六  第百九十九条第七項において準用する民事訴訟法第二百一条第一項の規定により財産開示期日において宣誓した開示義務者であつて、正当な理由なく第百九十九条第一項から第四項までの規定により陳述すべき事項について陳述をせず、又は虚偽の陳述をしたもの
2 宣誓した開示義務者が、正当な理由なく陳述をしなかった場合に成立する。「勤務先について陳述を拒絶した場合、取引先の氏名及び名称についての陳述を拒絶した場合」(捜査研究NO904・2025年11月号4頁)
3 宣誓した開示義務者が、虚偽の陳述をした場合に成立する。
第3 民事執行法違反について
   旧法と比べて、刑事罰とされ罰則が強化されたことから、逮捕勾留から起訴に至るケースもあり、財産開示手続きについて、債務者は慎重に対応する必要がある。他方、債権者は、罰則強化されたことから、財産開示手続きを積極的に利用するメリットがある。