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2025年10月01日

ステルスマーケティング(ステマ)の規制について(注:令和7年10月1日時点)

1 ステマとは、ステルスマーケティングの略で、ユーザーにきづかれないように商品の宣伝や口コミを行う手法です。
2 このステマは、その内容が商品や役務の取引に関連する場合は、不当景品類及び不当表示防止法(以下「法」と言います)で規制されています。
法5条3号において「商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの」として「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年内閣府告示第19号)を指定していることから規制対象になります。
3 ではなぜステマが規制されるのか?
 「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準によると「一般消費者は、事業者の表示であると認識すれば、表示内容に、ある程度の誇張・誇大が含まれることはあり得ると考え、商品選択の上でそのことを考慮に入れる一方、実際には事業者の表示であるにもかかわらず、第三者の表示であると誤認する場合、その表示内容にある程度の誇張・誇大が含まれることはあり得ると考えないことになり、この点において、一般消費者の商品選択における自主的かつ合理的な選択が阻害されるおそれがある。」ためです。
  具体的な運用基準は、添付の令和5年3月28日消費者長長官決定における「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準に説明がありますので是非参照ください。
4 法5条3号に違反した場合は、法7条の措置命令の対象になります。そして、措置命令に従わなかった場合は、法46条により刑事罰が科されます。
(関連条文)
(不当な表示の禁止)
第五条 
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
三 
前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの
(措置命令)
第七条 
内閣総理大臣は、第四条の規定による制限若しくは禁止又は第五条の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。
(罰則)
第四十六条 
措置命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。

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