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2018年10月26日

相続~故人の未支給年金は相続財産か否か?

故人の未支給年金は遺族の一時所得であり、相続財産ではありません。従って、相続放棄したとしても取得できます。
 未支給年金は、個人が生前に受け取るべき年金を、遺族が相続開始後に受け取るものです。
 国民年金法19条1項「年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。
最高裁判決平成7年11月7日は、上記規定を「相続とは別の立場から一定の遺族に対して未支給の年金給付を認めたものであり、死亡した受給権者が有していた年金給付に係る請求権が同条の規定を離れて別途相続の対象となるものではないことは明らかである」として、未支給年金を相続財産とはしていません。
 このように相続放棄しても、相続財産でない場合は、その財産を取得できるケースがありますので、ご相談ください。