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2025年05月01日

「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」(著作権法第30条の4)とは?

1 著作権法第30条の4
 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りではない。
(1) 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
(2) 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第47条の5第1項第2号において同じ。)の用に供する場合
(3) 前2号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合
2 本条の趣旨
   平成30年改正による、デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備の一つとして新設された。
3 非享受的利用
(1) 1号「著作物の録音、録画等の利用に係る技術の開発・実用化のための試験の用に供する場合」
(2) 2号「情報解析の用に供する場合を定めている」→人工知能の開発のための学習用データとして著作物を複製する行為
(3) 3号「本条1号・2号に掲げるもののほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用に供する場合を定めている。」