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2025年01月01日

令和7年6月1日施行の刑法改正規定は重要です!!!

1 懲役と禁固が拘禁刑(改正刑法12条)になります。
  拘禁刑は、「改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる」(同条3項)となりました。なお、拘留も同様に改正されます(同16条2項)。
2 再度の執行猶予の言い渡し刑が1年以下から2年以下(改正刑法25条2項)の拘禁刑となり要件が緩和されました。
  また、最初の保護観察付執行猶予中の再犯の場合も再度の執行猶予が可能となりました(改正刑法25条2項但書が、再度の執行猶予により保護観察が付された場合に更に罪を犯した者について、本文の執行猶予を否定する改正がされたため)。
3 刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果(改正刑法27条)について、改正刑法27条2項により、罰金刑以上の刑に当たる場合、公訴提起をされると同法4項、5項により刑の全部の執行猶予の言い渡しが取り消すことができなくなるまでの間(効力継続期間)引き続きその効力を有すると改正されます。すなわち、公訴提起をされた場合は、仮に公判中に前の執行猶予期間が経過しても、改正により、効力継続期間内は執行猶予が言渡されているものとみなす(同法2項後段)規定により、いわば執行猶予期間の経過が停止されることになります。
  また、刑法25条の関係では、執行猶予期間が満了していれば、効力を失っているものとみなす(改正刑法27条3項1号)とされている関係から、公判期間中に執行猶予期間が経過すれば再度の執行猶予でなく初度の執行猶予となる点に注意が必要です。
  すなわち、公判中は刑の執行猶予の期間が満了しても、執行猶予が付いていることになる。再度の執行猶予との関係では、公判中刑の執行猶予の期間が満了していれば再度の執行猶予ではなく、初度の執行猶予となる。